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第144話
俺が寂しかっただけでコイツらはその犠牲なんだ。
だけど、飼うからにはきちんと責任を持って飼っていた。簡単に捨てたりは俺には出来なかった。
同じ捨てられた同士、動物達とは波長が合うのか近所に迷惑を掛けることもなく上手く同居してきた。
たまに里親になりたいと言ってくる人に譲っているうちに今は三匹になった。
もうどの猫も年寄りだ。
今はまだ元気だけれど、いつ病気したっておかしくない。
この猫達が死んだらもう動物は飼わないと決めていた。
たまに庭先にやって来る野良猫の相手をするくらいが丁度いい。
結局、野良猫みたいに自由な人間を拾って来てしまったけど。
動物では埋められない、どうしようもない侘しさを千鶴が埋めてくれていたのだと実感する。
今まで誰一人として埋められなかった俺の心の深い穴を。
アイツは簡単に埋めてしまったんだ。
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