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第150話
「で、まぁ、父さんがヤバめな所で金借りてそれが膨らんでどうにもならなくて、後は坂道転がるみたいに堕ちてった。男でも売り物になるんだってその時初めて知ったよ」
それが千鶴が身体を売るきっかけ。
漫画の中なら良くありそうな話。
真幸が身体を売ってた事や、再会した後にそっち系の仕事で売ってる奴を沢山見てきたから、千鶴の事も予想は出来た。
金を払い終わっても行く所がなくてまた戻って来る奴も多かった。
一度身体に染み付いたものを完全に拭い去るのは難しい。特にこんな仕事をしていれば。
「借金は一年で返せたんだ。オレ、十六だったし若いとそれだけで売れるから。おまけに痛い事でも何でもありだったしね。仕事で抱かれてる時が一番、生きてる気がして……」
簡単に話してはいるけどそこには千鶴なりの葛藤があったはず。
そんな仕事が楽しい訳が無い。けれど、何か希望を見出さないとやっていけない。
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