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第151話
少しでも気を抜けば全てを恨んで憎んで、狂ってしまいそうになるから。
だから何でもないフリをする。楽しんでるフリをする。
生きている価値をそこに求めようと足掻く。
囚われたら最後、借金が減るわけじゃない。心が病んでも働かなきゃいけない。
そこに付け入る甘い罠が非合法の薬だ。
「薬には手を出してないな?」
一度でもその薬に頼ればあっという間に溺れてしまう精神状態で彼等は働く。
その薬を買うために自分を売り続ける。
「そんな話も何度か聞かされたけど、オレはやってないよ。オレには痛い事が薬みたいなもんだったのかも。痛みを感じるうちはまだ大丈夫だって、そう思ってたし」
千鶴は、散々な目に合ってきた割には荒んでいないと思う。どこか飄々としていて、掴みどころがない奴だけど、真幸のように後戻り出来ない所まで浸かりきってない。
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