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第153話
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それから朝になって、千鶴の戸籍と住民票を確認する為に役所に一緒に出向いた。
千鶴の父親がどうなったのか、千鶴自身も知らないらしい。
戸籍にはまだ父親の名前が載っていて、死んでいない事は確認出来たけれど住所は千鶴と一緒に暮らしていたアパートのままだった。
そのアパートも千鶴の母親が出ていってから引っ越したアパートで、今はもう老朽化で取り壊し駐車場になっていた。
その駐車場を一緒に見に行って、もうそこに千鶴の大切なものはないのだと分かると胸が苦しくなった。
千鶴は何を考えているのかわからない表情でじっと駐車場を見つめていた。
その後、もう一度役所に戻り千鶴の住民票を俺の住所に移した。
紙切れ一枚あれば済んでしまう手続きにあまり実感は持てなくて、二人で苦笑した。
今まで未払いだった国民保険や年金の類も全部手続きをして、千鶴のそれまで稼いできた金で払いきった。
それでも金はまだ有り余っていて、どうしようかと頭を悩ませた。
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