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第171話
薬の事を何も知らなかった俺の疑いは直ぐに晴れて大事には至らなかったけれど、真幸に対しては制裁があると告げられた。
どんな制裁にせよ、真幸が無事でいられないのは確実で俺はそれを阻止したかった。
しかし組の面子を潰したのは、大金を積んだとしても許されるものじゃない。
俺は結局、真幸にまた何もしてやれない。
真幸が何の為に薬を使ったのかを組の人間に聞いて、初めてずっと真幸に守られていた事を知ったくらいだ。
俺は本当に馬鹿な人間だ。
何も気付いてやれなかった。
依存症になって倒れるくらいボロボロになって、やっと真実を知るだなんて。
古びた病院の古いベッドの上で眠る真幸を見た時、俺は根津を殺してやりたいと本気で思った。
なんで皆、真幸を不幸にするんだ。
真幸は幸せにならなきゃいけないのに。
「俺と一緒に死のうか……」
真幸が幸せになれないのならもう生きていたって仕方ない。
一緒に死んでしまおう、と思った。
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