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第176話

その後、普通の生活に戻った俺は爺さんが残した古い家に住み着いた。 取り壊しの話も出ていたけれど、壊すのは忍びなくて土地毎買い取った。 この家を買うために爺さんの財産を管理していた弁護士や、施設の関係者や色んな人に世話になった。 会う人みんなが、最後まで爺さんが俺の行く末を心配していたと教えてくれた。 この家に住んでいれば爺さんに見られてる気がして、もう無茶な事はしないだろうと 思った。 元々よく遊びに来ていた猫が数匹いて、その猫の世話をしているうちに捨て猫を見つけると無視出来なくなって連れ帰る様になった。 増えたり減ったりしながら、猫と俺の生活は穏やかに流れた。 俺の書いた小説はそれなりに売れて、生活には困る事はなくお陰様でその後も小説で食べていけるくらいには売れてくれた。 真幸は、離脱症状で散々苦しんだ後、また薬に手を染めないためにも組を抜けた。

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