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隠し事。1

蛍side 雪が階段から落ちてから三日。今日は、遊ぶ約束をしていた土曜日だ。なにを着て行こう…。 遊ぶといっても、カフェで軽くお茶会をするだけだ。テストが終わったから、お疲れ様って事らしい。要するに、お疲れ様会をするのだ。 「これでいいかな」 休みとは言え、雪と会うのだから多少はお洒落しておかないと、そう思い選んだのはシンプルな白いシャツに少し長い黒のカーディガン。 下はシュッとしたデザインの紺パンツだ。 「あ、蛍くん!こっちだよっ‼︎」 待ち合わせ場所には既に雪がいた。雪は緩めの淡い水色のシャツに、大きめの白いパーカー。 クリーム色のパンツ。雪のイメージにピッタリだった。 大きめのパーカーのせいで、いつもより小さく見てえ、可愛さが際立っている。 「似合ってる」 「…えっ?ぼ、僕、可愛い⁇」 「可愛いくて見惚れてた。……なんて、恥ずかしいからもう行くぞ」 素直になろうと頑張ったが、やっぱり誤魔化してしまった…。恥ずかしさで顔は真っ赤だ…。 手まで熱くなってる気がする…。少し下を向きながら、それでもしっかりと横にいる雪の事を意識してる…。 「手、繋ぎたいなぁ…」 「んっ…」 「ふふっ、ありがとっ!」 手を繋ぐとそこから僕の心臓の音が雪に聞こえてしまいそうで…。恥ずかしさに、目が潤んでしまった……。 。

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