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隠し事。3
雪side
今日は待ちに待ったデートの日。楽しみすぎてなかなか寝付けなかった……。寝坊しなくて、本当に良かった…!
あぁ、どうしよう…。蛍くんかっこよ過ぎる…
シンプルな服が、蛍くんのかっこよさを、際立たせている。嫌味なほどに、良く似合って……ずっと見ていたら、ドキドキし過ぎて死んじゃいそう……。
「そういえば、蛍くんっていつもお昼パンだよね〜。何かオススメのものとかある?」
「そうだな…。メロンパンが一番好きだけど、基本的に菓子パンは好きだ。雪はいつも俺と食べてるけど、たまには友達と食べたりしなくていいのか?」
「……えっ?僕、友達居ないけど?それに…、僕は蛍と食べたいから、それでいいの」
僕はクラスメートからあまり好かれていない。
別に、好かれていないだけならいいのだが…、クラスメート全員が無視をしたり、悪戯をしたり、タチが悪いものになると暴力を振るわれる
あ、これ言ったらダメだったなぁ…
蛍くんといて気が抜けていたのと、自分のバイト先で安心感があったことから余計な事を口走ってしまった。
言葉になってしまったら、もう取り戻せない。きっと勘のいい蛍くんは気づいてしまうだろ…僕が虐められている事に……。
「やっぱり、苛められてるのか?」
「あー、うん。まぁ、少し…? 一人でも大丈夫だから…心配しないで、蛍くん」
「大丈夫じゃないだろ?ちゃんと頼れ。それとも、俺じゃ頼りにならないか?」
こんな風に優しくされたらどうしようもない。
僕はクラスメートにされている事を話した…。僕の話に聞いた蛍くんは優しく微笑んで言った
"そっか、よく頑張ったな"
と…。頭を撫でてくれた。それだけで、今での我慢が報われた気がしたんだ……。
「蛍くん、ありがと!」
「どういたしまして。また月曜日学校でな」
「うん。バイバ〜イ」
こうして楽しいデート (お疲れ様会) は終わった
後日、蛍くんはいじめっ子に説教をし、二度としないと約束を取り付けてくれたみたいだ。
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