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1-3:午後5時のアバンチュール (26)
「あっ……くっ……」
生ぬるいものがゆっくり這い回ると思ったら、急に先端を口に含まれて舌先で遊ばれる。
次の瞬間、そのまま奥深くに飲み込まれて何度も出し入れされる。
そっと添えられた指は優しく、でもしっかりと根元を握って離してくれない。
「あっ、はぁっ……んっ……」
出したくもない声が勝手に出てしまう。
感じたことのない羞恥が込み上げてきて、瞳に薄い涙のヴェールがかかる。
滲む視界の中で、神崎さんの髪が揺れる。
思わず目を瞑ったら、今度は耳に届く音が重みを増す。
くちゅくちゅ。
ぬちゃぬちゃ。
じゅぶじゅぶ。
両手で耳を塞いだら、腹の上をさわさわ撫でる神崎さんの髪から淡いコーヒーの香りが漂ってきた。
……ああ。
なんてことだ。
視覚も、聴覚も、嗅覚も。
すべてが侵されていくーー
無意識に動いた両手が、神崎さんの頭を掴む。
また限界が近付いてきてその動きを止めようと指に力を込めたら、神崎さんが視線だけで俺を捉えた。
そして、目を細めてにやりと笑う。
ずっと狙っていた獲物を手に入れた狩人のように。
やばい。
そんな表情 を見せられたら、もうーー
「佐藤くん」
「あっ……あっ……」
「我慢なんて、してくれるなよ」
いつもより低い神崎さんの声が耳に届いて、鼓膜までが気持ちよさに震える。
もうだめだ。
本当に。
超えてしまう。
上下する頭の動きが速くなり、俺にかかる圧が増す。
脳髄にまで刺激が伝わり、背中がビリビリ痺れた。
そして、先端を吸われた瞬間、俺はーー
「あっ、もっ……あ、あぁっ……!」
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