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閑話:午後7時のランデブー (7)
全然納得いかないし、とてつもなく悔しい。
俺のこと何も知らないくせに、とか、こいつのこと何も知らないのに、とかも思う。
たった一日、どころか、数時間一緒にいただだけでここまで持ってかれるなんてどこまでも癪だ……けど。
「あっ、神崎さん!あの看板じゃないですか?お寿司!」
「そうそう、あれだ……っておい!走らなくても!」
「走って行ったらお腹空きますよ!」
「いやもう十分空いてる!けっこう限界まできてる!」
「それに早く着いたらその分長く神崎さんと一緒にいられるし!」
「なっ……!?」
悔しくてムカついてはっ倒したくて、それでも、どうしようもなくあったかいから。
「好きです、神崎さん!」
「バ、バカ!そんなこと外で叫ぶな!」
もうこの際、クリームソーダに悪酔いしたことにでもしておくか。
fin
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