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2-2:午後8時のさざ波 (8)

そうだ。 神崎さんだってズボンがすごいことになっている。 でも、いつも俺には何もさせてくれない。 そりゃあ、俺は男相手にこんなことするのもされるのも神崎さんが初めてだけれど、きっと上手くなんてできないけれど、それでもしたい。 神崎さんだから、したい。 神崎さんにも俺を感じて欲しいし、俺も神崎さんを感じたい。 ゴクリと喉を鳴らし意を決して伸ばした手は、すぐに長い指に捕らえられた。 「神崎さん……?」 「いい。ただの生理現象だ」 「そ、りゃあ、そうですけど……」 そんなこと言われたら、俺のが元気になってたのだって、そこに正しい刺激を与えられて脳が気持ちいいって感じたから身体が反応しただけの生理現象だってことになる。 でもそれは、その原因が神崎さんだからそうなるのであって、誰にでもそんな反応を見せるわけじゃない。 神崎さんだって、そうじゃないのか。 咥えてたのが俺のだから、興奮してくれたんじゃないのか。 それなのにこんなの……その反応に深い意味はないって、俺には触れられたくないって言っているようなものじゃないか。 「それよりお腹空いた。ブリ、どうすればいいか教えて」 「……はい」 なんだかーーもやもやする。

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