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2-3:午後7時のベーゼ (12)
じゅぶじゅぶ。
ぬちゅぬちゅ。
神崎さんが、いやらしい音を立てながら俺を追い詰める。
絶対、わざとだ。
わざと音が出るように動いて……あ、ちょっとそこは……っぁ!
「んっはぁっ……ぁっあっ……っく……ぅ」
まさか。
神崎さんは手だけじゃなくて舌も鍛え上げたとでもいうのか。
いったい、どうやって……?
ちくしょう。
気持ち良さが止まらない。
「神崎、さっ……やっ、もっ、もうっ、あっ」
「出る?」
「言わな……あっぁっ」
「我慢なんてするなよ……」
ーー英瑠。
そんな。
ずるい。
タイミング狙いすぎだろ。
耳のすぐ近くで。
いつもより低い声で。
知ったばかりの俺の名前を。
囁くなんて。
そんなことされたら。
もう。
「あ、やぁ、もっ、イクっ、あぁあぁっーー…」
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