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3-4:午後11時の告白 (6)

どうしてもと訴える神崎さんの必死さに負けて、しぶしぶ電気を消した。 部屋の中は真っ暗だ。 たったひとつ、澄んだ夜空に神々しく輝く月が、重なり合う俺たちを見ている。 窓から差し込む月明かりに照らされた神崎さんの顔は、まるで彫刻のように美しい。 ベッドに押し付けていた手首を解放して、ゆっくりと頬のラインをなぞる。 神崎さんの長いまつ毛が伏せられ、俺の手に長い指がそっと絡んだ。 心の中に暖かいものが広がっていく。 ゆっくりと身体を傾けると、ベッドが鈍く軋んだ。 「んっ……ふ、ぅん……」 角度を変え、ついばむだけの口づけを何度も繰り返す。 唇が離れるたびに、もっと触れたいという欲が湧き上がってくる。 「ふぁっ……んっ……んんぅ……っ」 離れかけた距離を追いかけ、一気に深く噛み付く。 ゆっくりと舌でなぞると、頑なだった唇が震えた。 「あっ……っはぅ……んっ……」 顎を伝う唾液も無視して、ただ本能に導かれるままに舌を絡め合う。 くちゅくちゅと耳を障る音も、今の俺たちには媚薬にしかならない。 部屋の空気は冷えているのに、神崎さんの口内は燃えるように熱い。 「はぁっ……あっ……?」 ゆっくりと離れる唇を神崎さんの舌が名残惜しそうに追いかけてくる。 驚いて見下ろすと、どこかうつろだった瞳がまん丸になった。 「……かっわい」 神崎さんの頬が、真っ赤に燃えた。 その潤んだ瞳に引き寄せられるように、右手を伸ばす。 微かに濡れた目尻を指で拭うと、くすぐったそうに身をよじった。 同時に漏れる甘い吐息が耳に届いて、身体の奥のなにかが刺激される。 せり上がってくるそれが溢れそうになる前に、喉を鳴らして抑えた。 「……っん!」 冷えた指先をそっとシャツにしのばせると、神崎さんの全身が強張った。 引き締まった脇腹を撫でると、目をぎゅっと瞑り、なにかに耐えるように歯を食いしばっている。 なんだろう。 ものすごく悪いことをしている気分だ。

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