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3-4:午後11時の告白 (11)

「んんっ……はぁっ……はぁっ……」 口を放すと、虚ろな瞳で肩を上下させる理人さんと視線が交わる。 「理人さん、大丈夫で……あ」 飲み込みきれなかった精液がひとしずく俺の顎を伝ってぽたりと落ちたーー瞬間、シュバッと空気が動いた。 「えっ、理人さん?」 ドン、と衝撃を感じてベッドに尻もちをついた時には、至近距離にあったはずの理人さんの気配がすっかり消えていた。 目を凝らしてその輪郭を探すけれど、ちょうど月が雲に隠れてしまって光がまったくない。 手探りでなんとかランプのスイッチを探り当てて電気を付けた。 目がチカチカするのを、瞬きで必死に誤魔化す。 徐々にコントラストを取り戻してきた俺の視界に入ったのは、部屋の反対側の角で体育座りしている理人さんの姿だった。 身体を限界まで小さくしようとしているのか、両腕に力を込めて足も頭も抱え込んでひとつの塊になっている。 重力に逆らえず垂れた髪の間からちらりと覗く耳は、真っ赤に染まっていた。 「……あの」 「……」 「何やってるんですか」 「……い」 「い?」 「やばい」 「何がですか?」 「全部」 「なん……」 「聞くな」 理人さんは、小さく身震いすると、頭をますます深く足の間にねじ込んでしまった。 俺は、溢れ出る笑みを堪え切れない。 どこの乙女だよ。 口にしては言えないから、心の中で毒づいてみる。 今まで散々俺にあんなことやこんなことをしておいて、いざ自分がやられる方になったらこんな反応するなんて。 ずるい。 かわいい。 それに、下半身丸出しのまま体育座りしているせいでものすごく恥ずかしい格好になっていることにも気付いていない。 どこの誰がこの人に「そのツラ見せるな」なんて言えたんだろう。 こんなに可愛い理人さんなら、毎日だって見ていたい。 四六時中側にいて、どんな表情だって見逃したくないし、どんな声だって聞き逃したくない。

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