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3-4:午後11時の告白 (12)

募る愛おしさがいつの間にか指先まで伝わって、気付いたら俺は理人さんの髪に触れていた。 理人さんは一瞬身体を強張らせて、それでも俺の手を振り払おうとはしなかった。 そのままワシャワシャと色素の薄い髪の毛をかき混ぜていると、胸の中が温かいもの満たされていく。 やっと、理人さんに近付けた気がする。 俺と出会うまでの理人さんを、俺はまだ知らない。 きっと、いろんなことに傷つき、いろんなものを失いながら、今まで生きてきたんだろう。 だから、いきなり俺の心にズカズカ入り込んできたくせに、勝手に過去に囚われて勝手に怖くなって、勝手に離れていこうとした。 なんて臆病でいじらしい人。 そんな理人さんが、触れることを許してくれた。 今はただ、それが嬉しい。 「理人さん」 「……なに」 「好きです」 「……言うな」 俺は小さく噴き出してから、ますます顔を埋めてしまった理人さんの頭にそっと口付けを落としたのだったーー fin

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