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4-1:午前9時のシャワールーム (1)
ふいに、理人さんがもぞもぞ動いた。
スマホを置いて腕の中を覗き込むと、瞼が小さく震えている。
やがてゆっくりと瞼が持ち上がり、長いまつ毛が二、三度上下した。
頭を撫でると、色素の薄い髪が指にからまってくる。
理人さんはくすぐったそうに身をよじって、暖を求めるように身体をすり寄せてきた。
自分の口角が上がるのを感じる。
そっと抱きしめると、目が開いた。
「……ん」
トロンと眠そうな瞳が何度か瞬き、俺の姿をとらえる。
と、とたんに頬が桃色に染まった。
一緒に朝を迎えるのは初めてじゃないのに、いつも変わらない反応に愛おしさが募る。
手の甲で頬を撫でると、理人さんがうっとりと目を細めた。
「おはようございます」
「……おはよう」
「もう起きますか?」
「……」
「理人さん?」
理人さんが、瞳を閉じたまま眉間にしわを寄せる。
「……ん、あー……いま、なんじ?」
「6時18ぷ……」
「まだねる」
「やっぱり」
布団に潜り直してしまった理人さんを、上からポンポンする。
すぐに気持ち良さそうな寝息が聞こえてきて、俺はクスリと笑いを漏らした。
やっぱり、朝の理人さんはたまらなくかわいい。
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