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4-1:午前9時のシャワールーム (10)

「んっ、あっ……佐藤く……っ」 真っ白で濃厚な泡にまみれた理人さんの身体が、悶えた。 「あっぁっ……んんぅ……っ」 今はなにも貯まっていない大きな浴槽の縁に腰をかけて、仰け反る理人さんの身体を後ろから受け止める。 すっかり泡にまみれた熱の中心は、俺の手の動きに合わせていやらしく痙攣していた。 「洗うだけって、言っただろぉ……っ」 「だから洗ってるじゃないですか」 「動きがやらしいっ……んだよ!」 「やらしくしてますから」 「こ、の、やろぉ……っ」 吐き出される恨みのこもった言葉も、その声の響きは甘く、あっさりと空気に紛れて消えていく。 首筋に歯を立てると、溢れる嬌声が大きくなった。 「見て、理人さん」 「え……?」 「鏡に映ってる」 「っ!」 「理人さんのやらしい顔、たまんない……」 正面の壁一面に広がる鏡が、曇った俺たちを映し出していた。 俺の膝にまたがった理人さんの中心で、完全に勃ちあがったそれが泡の中でヒクヒク揺れている。 顔は赤く上気し、唇は半開きで端からは唾液が零れていた。 みるみるうちに理人さんの大きな瞳に涙が溜まってくる。 「やだっ……見たくない……っ」 「俺は見たい」 俺の腕を振り切って逃げようとする理人さんの手首を捕らえて、鏡に押し付けた。 下から見上げてくる潤んだ瞳を見下ろし、ゆっくりと首を傾ける。 「んっ……ふ、ぁ……んっんんんっ!」 舌を絡ませながら脚を押し付けると、理人さんのそれと擦れる。 全身を震わせた理人さんが、腕を回して俺にしがみついてきた。 「あ、やっ、佐藤くっ……も、立ってられないぃ……っ」 肌に直接伝わる震えがいじらしい。 我慢できずに、もうとうに限界だった自分のものと一緒に握った。 「ひゃぁっ!?」 理人さんの身体が大きく仰け反る。 色素の薄い髪が鏡に張り付いている。 右手を動かすと、ふたりのものが合わさりくちゅくちゅと音と立てた。 「やっ、石けん、泡でっ……ぬるぬるするっ……あぁっ」 「っ……」 「あっあっき、もちいい……っ」 なんてこと言うんだ、こんちくしょう。 「理人さん、もうっ……」 「俺っ、俺もっ、もっ、無理ぃっ」 「好きです、理人さん……っ」 「俺も好きっ!佐藤くん好き、だからぁっ……あっあーーっ」 「くっ……!」

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