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4ー4:午後10時のハッピーバースデー (6)
くちくち。
ちゅくちゅく。
ぬちゃぬちゃ。
「んっ……ふぅ、んっ……」
滑らかに潤った指は、いとも簡単にそこを出たり入ったりした。
傷つけないようゆっくりと押し進めると、理人さんの呼吸に合わせて、中が包み込むように絡みついてくる。
根元まで隠れた二本の指をバラバラに動かすと、理人さんの膝がピクピクと震えた。
「ふ、ぁっ……あっ……」
まるで春を待つ蕾のように頑なだったそこが、花開くように柔らかく解れていく。
肘を引くと、まるで抗うように理人さんの中が俺の指に吸い付いてきた。
最後まで抜ける前に素早く押し戻すと、ぐちゅ、と音を立てて埋もれた。
「あっ、あっ!」
「痛い、ですか?」
理人さんは固く目を瞑ったまま、ふるふると首を振った。
浅く速くなった呼吸に合わせて、胸が上下している。
両の目尻には涙の粒が溜まり、今にもこぼれ落ちそうだ。
右手の人差し指と中指の腹で、そっと中のひだを撫でる。
胸の突起を挟む左手の指に力を入れると、理人さんが啼いた。
「んんっ……っは……あ、ぁっ……んっ」
苦しげだった声に、少しずつ淡い色が混じってきた。
これでもかと昂ぶったそれが、先端からポタポタと淫らな汁を腹に垂らしている。
まるで触れられるのを待ち望んでいるかのように、ピクンピクンと痙攣していた。
「あ、はぁっ……ん、ふぅ……っ」
理人さんが、俺の指の動きに感じてくれている。
そう思うだけで、自分の中心にも熱が集まってくるのがわかった。
今すぐにでも理人さんの中に埋めてしまいたい。
指を引っこ抜いて、俺自身で理人さんを貫いてしまいたい。
理人さんの中を、俺でいっぱにした――
「ひあぁっ!」
ひときわ艶がかった理人さんの声が響いて、ハッと我に返る。
しまった。
痛かっただろうか。
おそるおそる中指を動かすと、指の腹になにか不思議な感触が当たった。
あ。
もしかして、ここが男が気持ちいいっていう前立腺?
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