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4ー4:午後10時のハッピーバースデー (7)
「ここ、ですか?」
「いやっ……や、そこ、やだっ……んっ、んんっ!」
「気持ちいいですか?」
「あっ、やっ、違っ……やめっ……あっあっあっ」
いやだ。
ちがう。
やめて。
そんな言葉とは裏腹に、理人さんが淫らに喘いだ。
シーツを握りしめる手に力がこもり、長い指の先がマットレスに食い込む。
固く反り上がった熱の中心から、雫がとめどなく溢れ出し、パタタタ、と理人さんの腹を汚した。
そうか。
ここが、理人さんの気持ちいいところか。
なんだかすっかり気分が良くなって、俺は夢中でそこを攻めた。
「佐藤くっ……あっ、や、やだぁっ……」
「や、じゃないでしょ?」
「そ、そこ、ばっかり……する、なぁっ……あっ、んんっ」
「かわいい……理人さん」
「あっ……あっ……!」
「指だけでこんなに……たまんない」
「佐藤くんっ……も、もうっ……無理、無理ぃ……っ」
指を折る角度を変えると、理人さんが善がる。
つい、と指の腹で圧を加えると、腹筋の淡い凹凸がピクピクと動いた。
「あっあっ!ま、またイクっ……あ、ふぅんっ……」
そこをかすめるたびに、理人さんの中が強く収縮する。
すっかりトロけた入り口は、ぐちゅぐちゅと濁った水音を造り出していた。
「さ、佐藤くんっ、も、もうっ……あっ……!」
理人さんの身体がぶるぶると震え、両足にきゅっと力がこもった。
あまりにぎゅうぎゅうと締め付けられ、指の動きを止める。
もうそろそろ指を三本に増やしてもいいかも、なんて思った瞬間――
「へ……?」
突然、俺の背中がずっしりと重くなった。
「え?」
あれ?
逞しいなにかが俺の上半身に巻きついている。
え?
あれ?
これって、理人さんの……脚?
「ま、理人さん……?」
「このやろう!」
「えっ?あっ、ちょ、えぇっ!?うわあぁっ!」
視界が、大回転した。
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