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閑話:午前10時のアクアリウム (2)

今日のデートは、佐藤くんの誕生日プレゼント……兼クリスマスプレゼント……兼お年玉のようなものだ。 年末年始を実家で過ごして戻ってきた佐藤くんが、いろいろ地元のお土産を買ってきてくれた。 中でも、ご当地トフィのボールペンは本当に嬉しかった。 嬉しすぎて佐藤くんに飛びついたら、あっさり押し倒されてあれよあれよとあんなことやこんなことをする流れになってしまった……のは置いといて。 俺にはもう実家がないから帰省もしないし、旅行に行ったわけでもなかったから、佐藤くんにあげられるものがなにもなかった。 佐藤くんは気にするなと笑ってくれたけど、俺としては誕生日プレゼントもやっつけだったし、改めてちゃんとしたお祝いがしたい。 そう言ったら、佐藤くんが、 「誕生日プレゼントならもうくれたじゃないですか」 「だからっ……んんっ……合鍵は、プレゼントには入らなっ……あっ、あっ」 「そうじゃなくて……理人さんをもらった、っく……でしょう?」 「あ、ああんっ!お、前なぁっ……」 親父くさいこと言うな、と咎めたら、楽しそうに腰を振りながら、 「じゃあ俺とデートしてください」 と、瞳をキラキラさせた。 確かにこれまで、うちで料理したりご飯食べたりテレビ見たり漫画読んだり、そういうこと……を、するくらいで、デートはしたことがなかった。 だから俺も、ちょっとワクワクしながら頷いた。 いつもバイトのない週末はうちに泊まっていくのに、外で待ち合わせたいから、と佐藤くんは昨夜のうちに帰っていった。

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