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5ー1:午後0時の乱 (1)

俺は、浮かれていた。 理人さんと一緒の毎日はすごく楽しくて、また、充実してもいた。 ああだこうだと言いながら買い物して、ああだこうだと言いながら料理して、ああだこうだと言いながら食事する。 そのあとは並んでテレビを見たり、本を読んだり、くだらない話で盛り上がったりしながら、まったりと流れていく時間をふたりで過ごした。 理人さんは『そういうこと』にはやっぱり淡白で、自分の方から誘ってくることはなかったけれど、それでも俺が触れるとかわいい反応を見せてくれるし、時には蕩けてしまいそうなくらいに甘えてくれる。 そんなときは、これまで誰に対しても抱いたことのなかった純粋な愛しさが溢れ出して止まらなかった。 宮下さんが俺たちの関係を知りつつ温かく見守ってくれているという事実も、俺に不思議な安心感を与えてくれていた。 すべてが順調だった。 だから俺は浮かれていた。 その平穏が、嵐の前の静けさにすぎないことにも気づかずに――

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