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閑話:午後7時のジェラシー (8)

息が上がる。 壁に押し付けられた背中が擦れて痛い。 耳を塞ぎたくなるような水音を立てながら俺の中を動き回っていた二本の指が、一気に引き抜かれた。 佐藤くんが俺の右足を膝裏から抱え上げて、ドクドクと脈打つ自身をそこにあてがう。 ベッドはすぐそこにあるのに、そちらに行こうとは言われないし、俺も言わない。 一分でも一秒でも早く、佐藤くんが欲しかった。 「んっ……んんっ……」 猛々しくそそり立った佐藤くんのそれが、俺の中に侵入ってきた。 内臓を押し上げられるような感覚に、息が詰まる。 かろうじて床に着いている左足が小刻みに痙攣し、重力に逆らえなかった身体がよりその繋がりを深くした。 焦れったさを感じるほど丁寧に出て行ったと思ったら、容赦なく突き上げられる。 自分の意志に反して揺れる視界の中で、佐藤くんが妖艶に微笑った。 「我慢しないで。声……聞きたい」 「お、お姉さん、が……っ」 「大丈夫っ……ああなったら、テコでも起きないんで……っ」 それでも、壁一面隔てた向こう側に人がいるという事実が、俺の理性をいつになく辛抱強く繋ぎ止める。 「んんっ!」 唐突に内壁がめくれ上がるような感覚に襲われ、息を呑む。 後ろの穴が、突然失ったその存在を求めてヒクついているのが分かった。 「佐藤く――」 いきなり視界が回転し、頬が冷たくなる。 咄嗟に両手を壁に突っ張って、でもまたすぐに後ろから押さえつけられた。 大きな手に尻肉を割られ、羞恥を覚える間もなく深く侵される。 「あっあっ……やだっ、いやだっ……」 「なにが、いや、なんです、かっ……?」 「あああっ!こ、この体勢……い、やだぁっ」 「なんでっ……?」 「お、おくっ……んっ……ふかく、て、あっ、ああっ」 「気持ちよくない……?」 「わ、わかんなっ……おなかっ、おしりっ……ぜ、ぜんぶっ、あ、あっ」 「じゃあ……ここ、は?」 「ひ、あぁっ!だ、だめっ、もっ……無理ぃっ、ごめ……ん、んぅっ」 ガクンと崩れ落ちそうになった膝が、佐藤くんの腕に掬い上げられる。 佐藤くんの熱く乱れた吐息が、首筋に降り注いだ。 「もうちょっとだから……がんばって?」 「あっ……あっ……あぁっ……」 「き、つ……っ」 「でるっ、でるっ……あ、ああ、ん、んんんん――っ」 そうして俺はあっけなく達し、佐藤くんもまたその全身を大きく震わせ、俺の奥深くに欲望を解き放った。

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