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閑話:午後5時のノスタルジー (6)
「ん、あ、はっ……言っとく、けどっ」
「神崎先輩……?」
「この制服着てセックスするの、今日が、初めて、なんだからな!」
「……」
「こんな、あっ、こんなことするの、佐藤くんの前だけ、なんだからな……っ」
ずちゅ、と音を立てて、抽送を繰り返していた指が出て行った。
失った刺激を求めて揺れる体が逞しい腕に抱きしめられ、耳元で掠れた声が囁く。
「理人さん、それ……ずるい」
俺の身体を力任せに押し倒し、佐藤くんが被っていた紺色の学帽を放り投げた。
下着ごとズボンを引き抜き、俺の両足を膝裏から抱え上げて自分の肩に担ぐ。
そして、すっかり準備の整った俺のそこに自身を埋め込んだ。
「あ、あぁっ……!」
「はぁ……やば、もう、とろけそう」
「あっ、んっ……ふぅっ……」
「理人さん、大丈夫……?」
「な、なんでそんな、ガッチガチ、なんだよ……っ」
さっきまでそこを占領していた自分の指とは太さも長さも全然違うそれが、俺の中で脈打っている。
「俺のために自分で後ろ準備してる理人さんが目の前にいるのに、無反応なわけないでしょ?」
「やれって言ったの、佐藤くんだろ!」
「そうですけど、ほんとにやっちゃう理人さんがたまらなくかわいくて」
「……独占欲は、満たされたかよ?」
「はい」
「ん……ん、んっ」
「でも、こっちは全然足りません」
「あっ……!」
「理人さん、そんなに締めないで……っ」
「そ、そんなこと言ったって……あ、あ、あ」
「……っ」
佐藤くんが、悩ましげな息を漏らす。
学ラン姿とその色っぽい表情がマッチしてなくて、なんだか滑稽だ。
ものすごくアンバランスで、ものすごくかっこいい。
「ん……んっ」
「うっ、わ、ちょ、理人さ……」
「ん……!」
「あっ!……って、ちょ、ちょっと!わざとやって……うっ」
腹筋に力を入れて腰を揺らすと、佐藤くんが低く呻いた。
なにかを堪えるように顔をしかめて、不自然な呼吸を繰り返している。
かわいい。
「んっ……んぅ……っ」
「や、やめて、理人さん。ほんとにイッちゃ……」
「好きだ」
「っ」
「好きだよ」
「ま、理人さ……」
「好き」
「っ……あ」
眉間に皺を寄せたまま全身を震わせる佐藤くんを、俺はいつまでも見上げていた。
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