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裏閑話:午後0時の観察日記 (4)

「三枝さんと飲みですか?」 「うん、俺は飲まないけど……遅くなる、と思う」 「わかりました。はい、坦々麺」 「……ありがとう」 「理人さん!」 「んっ?」 律儀にお礼を言って背を向けた神崎さんの肩を、佐藤くんが勢いよく引き寄せた。 「今夜、遅くなっても待ってます。だから――」 佐藤くんの声が急に小さくなって言葉が聞き取れなくなる。 耳の中に直接言葉を注がれた神崎さんの頬が、ボボボボボボッと燃え上がった。 「ば、ばか!」 佐藤くんを突き飛ばして、神崎さんがバタバタと去っていく。 佐藤くんは、遠ざかっていくその背中を愛おしそうに見送っていた――… じゃなくて! ちょっと! ちょっとちょっと! 肝心なところが全然聞こえなかったんだけど!? 佐藤くんは神崎さんになんて言ったの!? だから……の続きはなんだったの!? 教えて! このままじゃ眠れないじゃない! 今夜ベッドでひとり、 ――理人さん、かわいい……もう、俺なしじゃ生きられなくなっちゃったんだ? とか言葉攻めする佐藤くんの下で、 ――い、意地悪言うなよぉ……!もう、我慢できない……っ。 とか泣いちゃう神崎さんを妄想しちゃうよ? いいの? ねえいいの!? ――理人さん、今日はいつもより締めつけてくるね……エッチな自分見て興奮してるんだ? って言いながら佐藤くんが自分の上に乗ってる神崎さんの脚を広げて、 ――ち、違う!そんなんじゃ……あっ、ああん! って鏡の中の自分に見られながら思いっきり喘いじゃう神崎さんを妄想しちゃうよ? いいの? いいの!? いいよね!? よし。 秋の新刊のネタ決定! 今夜はものすごく捗りそう! fin

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