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閑話:午後8時のロールプレイ (5)

勢いよくオモチャが取り出され、持ち主の意思を無視した身体が痙攣する。 佐藤くんは鈍く光るオモチャに一瞥も寄越さず、遠くの床に放り投げた。 「なんで抜くんだよぉ、イけそうだったのに……っ」 思わず零れたそんな恥ずかしい言葉にも、佐藤くんは無反応だ。 なにも言わずに腕を拘束していたネクタイを解き、俺の身体をうつ伏せにした。 腰の下に手を入れ高く上げられると、佐藤くんにお尻を突き出す格好になる。 途端に、どこかに行ってしまっていた理性がふらりと舞い戻ってきた。 「さ、佐藤く――」 「そんな顔しないで。すぐ挿れてあげるから」 金属が擦れる音がして、佐藤くんのそれが飛び出してくた。 驚くほどの手際でゴムとローションの準備を完了させると、佐藤くんはようやく俺を見た。 「腕、頑張って支えてくださいね」 「え?あ、ちょ……うわぁ!」 ひょい、と身体が浮いた。 「こうやって足首持ち上げながらバックで挿れると、ものすごーく奥まで当たるらしいですよ?」 「こ、今度はなに検索して……あっ、んんんっ」 さっきまでそこに挿入っていたオモチャなんて比にならないくらい、太くて、硬くて、熱い杭が俺を貫いた。 「あっ、あっ、な、なに……?」 「なにがですか?」 「な、なんでそこばっかり当たっ……あ、あ!」 「そこって……ここ?」 「ふぁ!」 まずい。 逃げたいのに、逃げられない。 腰が動かない。 あたってる。 これまでにないくらい奥の方まで、佐藤くんがいる。 なかが、佐藤くんでいっぱいだ。 「あ、や、いやだ……っ」 「気持ちよくない?」 「あっ、あっ……わからなっ……わからない……んんっ」 どうしよう。 なんだこれ。 目の前がチカチカする。 まるで火花が散ってるみたいだ。 なにかが、ちがう。 いつもとちがう。 なにかが……くる! 「やめっ……も、やめ……あ、こ、こわい……っ」 「理人さん?」 「こわいっ、さとうくんっ……こわい!」 「……」 「あ、やだっ!やめないで!」 「え」 「もっと動いてっ……あ、おく、ふかぁ……いやっ、いやだ!」 「プッ……どっちなんですか……」 「あっんっ、あ、あ、あ……っ」 「……っは……」 「あっ……っふ、ぅんっ……ああっ!」 「理人さん、ここ壁うすいから声……」 「あっ、あっ!」 「聞こえてないか……」 違う。 ちゃんと声は聞こえてる。 ただ、 「あっ、いやっ……も、やだあっ……!」 答えられないだけだ。 「佐藤くん……!」 「反省してますか?」 「してるっ……してるからっ……」 「から?」 「も、イきたい……!」 さっきから強すぎる刺激の波がずっと同じところに停滞して離れてくれない。 焦らされているのか、焦れているのか。 どちらにしても、早くこのもどかしさから解放されたい。 「じゃあ、ちゃんと言って?」 「な、にを……ん、んん」 「俺に強請って?」 「さとうくん、さとうくんっ、突いて!もっと……もっと突いて!佐藤くんのでおれをイかせてぇ……っ」 「よくできました」 「あっ、ん、ああ……!」

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