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閑話:午後4時の遊戯 (4)

ふいに視界に現れた佐藤くんは、ちょっとだけ左に傾いたままの角度で、ビシィっと固まった。 まるで俺がメドゥーサで、その魔力で石像になってしまったかのように。 動かなくなった佐藤くんの視線は、確実に俺の上で固定されている。 綺麗な円になったふたつの瞳に映し出されているのは、ベッドの上で、素っ裸で、股間を握りしめて、お尻に指を突っ込んでいる俺のすが、た――… 「うっわあっ!?」 「ま、理人さ……」 「だまれなにもいうなでてけ!」 「え!?あ、あの……」 「でてけっ……!」 根元まで埋もれていた人差し指を引き抜き、とりあえず手近にあった方のタオルケットをかぶった。 かぶって、 震えた。 「し、信じられない……!」 見られた。 見られた見られた見られたぁっ……! ひとりでしてるとこ! しかも、 指、突っ込んでるとこまで……! いつもはしないのに! いやするけど! ひとりではする! けど! でもしない! ひとりでおしり弄ったことなんて、今まで一度もない! 今日が初めてだったのに! それを見られるなんて! よりにもよって! 佐藤くんに! 佐藤くんに見ら、見られ、見られ……ああああああ! 「なんでノックしないんだよぉ……!」 「ここはもう俺の部屋でもありますから」 聞こえるはずのない声が、至近距離で聞こえた。

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