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閑話:午後4時の遊戯 (6)

「んぅ……っ」 ぎゅっと目を瞑り、その衝動が去るのを待つ。 まぶたの裏が、忙しなく蠢く蛍光色の光で埋め尽くされた。 「理人さん、我慢してる?」 「だ、だって……」 油断したら、もう今すぐにもイッてしまいそうだ。 「イけばいいのに」 「やっ……だ……ふあぁっ」 佐藤くんの指が、また俺のなかをかき回してきた。 だんだんとその動きを大きくしながら、まるで熟した果実を撫でるように丁寧にそこばかりを攻めてくる。 「教えてください」 「なっ……にっ……?」 「理人さんの頭の中の俺は、どんなことしてたんですか?」 どんなこと、って。 そりゃあ、あんなことやこんなことや……、 「……」 「理人さん?」 「名前……呼んでた……」 「名前?」 「俺のこと……理人、って……」 嘘だ。 本当は、呼んでない。 でも。 呼んでほしい。 だから、 「理人」 う、わ、あ。 「や、やっぱりいい!」 「なんで?」 「だってっ……」 「感じたくせに」 だからだよ! そう言ってやりたいのに、 「んっ……あ、あ、あっ!」 喉の奥から漏れるのが甘い吐息ばかりで嫌になる。 また気をよくしてしまったらしい佐藤くんは、俺のおしりから勢いよく指を引き抜いた。 そのまま上に伸びてきて、俺の胸元をさわさわと撫で始める。 そしてあっという間に探り当てた飾りを、ぎゅっと摘んだ。 電流のような快感が、直接股間を刺激する。 また透明の雫を漏らしはじめたそこを、ねっとりとした空間が包み込んだ。 「や、だっ、はなして……っ」 「いやれす」 「あ、あっ!だ、だめだ、も、で、でっ……」 「出して」 「あ、ん、んん――っ」 意思を無視して痙攣する身体が、力強い腕に抱きしめられた。 熱の中心から弾けた欲望が、佐藤くんの白いシャツを汚している。 咄嗟に身を引こうとして、でもそれは叶わなかった。 「ただいま、理人さん」 「お、かえり……っ」 だめだ。 なにも考えられない。 全部が全部、どうでもよくなってしまう。 この腕に包み込まれたら、もう、それだけで――

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