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終幕 (5)

ぷくりと熟した突起を口に含み、舌の上で転がす。 控えめな乳輪ごと舐めまわし、尖ってきた先端を突くと白い身体が震えた。 露わになった首筋にねっとりと舌を這わせ、乾いたまま取り残されていたもうひとつの飾りを手探りで弄ぶ。 「んんっ……あ、ふ、あ、あ!」 親指と人差し指で優しく摘むと、理人さんの頭が左右に揺れ、出会った頃よりだいぶ短くなった髪がくしゃくしゃに乱れた。 「や、やだ……っ」 「気持ちいいのに?」 首から上を真っ赤に染め、理人さんが俺を睨んでくる。 潤んだ瞳に、上気した頰。 赤く膨らんだ唇に、俺の腹の下で確実に硬度を増していくそれ。 うん、どれをどうとっても完全に逆効果でしかない。 「んっ……んんっ……!」 わざと乱暴に口付けると、理人さんはぎゅっと目を瞑った。 頑なに合わさった唇を舌先でノックし、受け入れられるのを待つ。 薄い唇は恥じらうように窄まり、やがてゆっくりと開いた。 「んんっ……ふぅ……あ、ふっ……」 熱い口内を無遠慮に貪る滑りの軌跡を追うように、理人さんの舌が絡みついてくる。 動きのリズムを変えると、その度に「んっ、んっ」と鼻から甘い息が漏れ、俺の肌が湿った。 今夜の理人さんは、なんだかすごく必死だ。 まるでこれがファースト・キスだと言わんばかりに頑張っている。 そんな彼の必死さがいじらしくて、でもどこか懐かしくて、かわいくて、 たまらない。 「あっ……あっ……!」 唇。 頰。 顎。 喉。 白い肌に小さな朱色の花を咲かせながら、口づけを南下させていく。 首筋。 肩。 鎖骨。 胸板。 鳩尾。 腹。 脇腹。 そして―― 「ひあっ……!」 ペニス。 「んうぅ……!」 チュッ、チュッ、と音が鳴るたびに、理人さんの身体が小さく跳ねる。 「理人さん、かわいい」 「な、にが……」 「ここ」 「う……!」 ツン、と人差し指で突つくと、先っぽから玉のような露がぷくりと顔を出した。 「震えてる」

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