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終幕 (7)

黒く平たい箱を開け銀色のパッケージをひとつ取り出すと、横から伸びてきた手に奪われた。 長い指先が端っこを切り取り、正方形が長方形になる。 妙に神妙な顔つきで中からそれを取り出すと、理人さんは、ぬるぬるだ、と小さく呟いた。 反り上がりヒクつく俺の先端にぽてっと落とし、ゆっくり丁寧に根元まで引き下げていく。 きゅうきゅうと締め付けてくるのが焦れったくて思わず喉の奥で呻くと、理人さんが嬉しそうに笑った。 ローションを垂らされ、塗りたくられる。 ぬっちょぬっちょと淫らに音を立てられ、わざとかと思うほど絶妙な角度で握り込まれ、俺はまた呻いた。 「もういいです」 「え」 「挿れたい」 よほど切羽詰まった顔をしていたのだろう。 理人さんの顔が赤く燃え上がった。 「ほら、早くうしろ向いて?」 「あ、やっ、やだ、だめ!」 「でも……」 「今日はこのままがいい。佐藤くんのこと、見ていたいから……」 ああ、もう。 そんなことをそんな風に言われたら、頷くしかないじゃないか。 俺は理人さんを勢いよく押し倒し、長い脚を膝裏から抱え上げた。 そして、柔らかい内腿を左右に開く。 湿気を含んだ空気が去ると、滑って鈍く光るそこが露わになった。 「丸見えだ」 「……うるさい」 桜色に濡れた蕾にそっと口元を寄せると、いやいやと首が左右に揺れた。 気づかないフリをして、そこに舌を差し入れる。 するとほんのりと苦味を与えながら、まるで待ち望んでいたかのようにねっとりと蠢き、絡みついてきた。 股間が、痛いくらいに疼く。 「はあ……」 「佐藤くん……?」 「だめだ。もう挿れます」 猛りきったペニスを当てがうと、理人さんの瞳が揺れた。 見上げてくる視線を同じ角度で送り返し、震えが治まるのを待って腰を押し進める。 すると、ぬぽん、と先端が飲み込まれた。 「ひっ……!」 「大丈夫です」 「ん、んうぅ……!」 「大丈夫だから、ゆっくり呼吸して」 「は、はぁ……っ」 浅く速い呼吸が次第にゆっくりとなり、強張っていた身体からも緊張が解けていく。 やがて頑なに閉じていたアーモンド・アイが俺を映し、もっと――と言外に強請った。

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