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第3話
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こちらのどこで遊ばれているのか……
やれやれ。
一歩二歩と足を踏み入れると、冷たい風が頬をピリピリと撫でてくる。
辺りは暗闇に支配されていて、日が沈んでいる時間帯であることがわかった。
そう思った瞬間、それは起こった。
突然脳内に鳴り響く強い耳鳴り。
余りにも強く全身を貫くほどの衝撃で、頭が割れそうになる。
な!?
……っ
これは……
キィイイィィィィ………
耳鳴りが酷く吐き気をもようすほど気分が悪い。
余りにも酷く立っていられない……
頭が割れそうだ。
自身の能力でもあるこの力は、生涯に一度しか発動しない筈だ。
かなり特殊な能力であるが、ずっとずっとずっと待ち望んでいたものであった。
『これはね、あの御方が運命の相手を見つけた時に発動し、それをルースが瞬時に感じ取れるというとても便利な特殊魔法なんだよ。あの御方のことだから、見つけてもスルーしたり最悪殺したりしかねない。こんな魔法作れる俺って凄いよね天才だよね!あ、でも発動時の気分はマジ最悪になるから、服汚さないように気を付けて?』
そうニヤニヤと嬉しそうに自分にその魔法をかけた人物の顔が頭をよぎる。
これだ……
まさかこんなタイミングで……
ということは……
こちらの世界で、我が主が運命の相手を見つけてしまったということになる。
こ、これは耳鳴りと目眩でぶっ倒れているどころではない!
しかしすぐには起きれず、吐き気を我慢するので精一杯だった。
呼吸を整え症状が治まるのを待つが、冷汗がとまらない。
どこだ?
どこにいる?
全身で気配を探り、ある場所でその気配が消えてしまい焦る。
しかし冷たい夜空を見上げて見れば、遥か遠い先の一点が光っているように感じた。
キラキラと光る希望の光だ。
……
見つけた……
直ぐにあそこにいらっしゃると感じた。
早くあそこへ向かわなくては……
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