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第7話
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しかも!
この恐ろしいほどの敬語に違和感が!
この人何で高校生に対してこんなにも丁寧で低姿勢なんだよ!
「あの!そういうのいいですから。服が皺になっちゃいますよ。あの普通に座ってください……俺に何か用でしょうか」
「……失礼ですが、あなた様のお名前をお聞きしてもよろしいでしょうか」
「え、才……小野瀬 才 です」
「サイ様ですね」
「様……って様ってつけなくていいです。だってルースさんの方が全然年上ですよね」
そう、スーツを着たこの男性、年は二十代後半くらいで明らかに俺の方が年下だ。
瞳の色が薄くて髪の色も灰色みたいな色をしている。
日本人ではなさそうだし、スラリと背が高くてモデルみたいにカッコいい。
「いえいえ、とんでもありません。主に対してそのような口の利き方はできません。そしてサイ様はわたしくのことはルースと御呼びください」
「あ、主って何ですか。全然よくわからないんですけど……やっぱり何かの収録?SNS?どっきり!?でしょう!」
「……ふむ異世界から来ておりますゆえ、理解しがたい単語が出て参りますね。しかし主とはあなた様のことでありますよサイ様。これだけは言えます」
「あ、主って何であなたの主……」
「それはですね。ふふふ……あなた様が我が主の花嫁であることが決まったからであります!!よってサイ様もわたくしの主ということっ!お判りいただけましたか?」
「……は、花嫁って……俺がですか」
「はい!そうでございますよっ!」
「はぁ……あの……すみません。意味が……分からないです」
「文字通り花嫁、婚約者とでも言うのでしょうか」
「……えとあの……無理だと思います。絶対ありえない……です」
「いいえ!無理ではございません!!」
「ルースさんの我が主って、男の人ですよね……」
「勿論!さようでございます!」
「えーと……お、俺……男です……けど」
「え?」
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