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第8話
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その時のルースの顔は、一生忘れることができない。
思考が停止したイケメンの顔というのは、中々見れるものではなかった。
……
……
「えーと花嫁とか婚約者とかあの、意味わからないし、そんなこといきなり現れた不審者に言われても信じられる訳がないでしょ?それに俺は普通に男です……あ!もしかしてお隣りさんと間違えたとかそういうのないですか?サプライズ的な感じなのかな……それなら納得なんだけど。ここの家じゃないですよ。」
「……」
「す、すみません。えーとその俺もう寝たいんで帰ってもらっても……」
「……」
「あ、あの……あの」
「……」
「る、ルース……さん?」
瞬き一つしないルースと名乗るイケメンさんは、固まったようにそこから動かなくなってしまった。
どうしよう~!
これさぁ、絶対に家間違えてるよ!
窓からサプライズでプロポーズをする予定だったとか?
そんな演出だったのかな……
じゃ、絶対どこかにカメラあるだろ。
ちゃんと場所確認してから来いってー!
「あの、あの間違えたとかそういうのですかね?この家、女は母さんしかいないんで別のお宅だと思うんですけど……あの……あの」
「……いえ……大丈夫です……ふむ」
「スミマセン。何かお役に立てなくて」
「サイ様……ちょっと失礼致します」
「え」
ルースの顔を見上げた次の瞬間、何故かその胸に抱きしめられていた。
何とも言えない嗅いだこともない香りがふわりと漂う。
この人いい匂いがする……そう思ったとき……
むぎゅむぎゅ
!!!!
「ぎゃ!!!!」
「……ふむ、やはり男ですね」
チンコを思い切り揉まれた。
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