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第10話
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んあーー……
はぁ……良かった。いつもの朝だ……
やっぱり夢だったか。
最近疲れてンのかな俺?勉強のし過ぎかな?
かなりリアルな夢だったから、朝なのに既に疲れてる。
頭を振りくしゃくしゃと頭を掻きながら、二階から一階へ下り、顔を洗うため洗面所へ向かった。
「あ、才~起きた?」
「んーーーおはよう……」
「おはようー!才ちょっとこっち来てー!ルースさんがお待ちよー」
……
……
…………は?
光の速さでリビングへ向かうと、ななななんと!
うちの母親と、夢に出てきたルースという男が優雅にお茶を飲んでいるではないか!!
そして?その傍らで、父さんがのんびりと朝食を食べている……
妙な光景……
「ななな……」
「これはこれは才様、おはようございます。今しがたご両親様にお話をさせて頂いたところでございます。いやはや、大変理解あるご両親様ですね。さすがでございます」
「は、話!?」
「はい!我が主と才様の今後のことについて!などなどです」
「なーんか聞けば聞くほど面白くてさ、気がついたらあっという間にこんな時間。才のご飯ちょっと待ってね。ルースさんごめんなさいね!地球の朝は忙しいのよー!」
「お忙しい時間に大変失礼致しました。また都合の良い時にお迎えに参ります。このお茶大変に美味しかったです」
「珈琲ね、コーヒー。せっかく来てくださったのに時間がなくてごめんなさいね。才には私から詳しく説明しておきますから」
「ありがとうございます」
……
???
え
え
なんなんだ?なんで母さんとルースが固い握手を交わしているんだ?母さんスゲー笑顔だけど……
優雅に挨拶を済ませたルースはいそいそと二階に消えて行った。
うおーい!
何故!二階……!
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