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第12話

ところかわってこちらは異世界。 「は?体調不良?」 「……そうらしい……ぞ」 「絶対嘘だろ。あいつが体調不良とかありえない」 「……あいつは止めろコナー。仮にも我らの主だ。ルースによれば、どうやらここ数日高熱が続いているらしい」 「何かに感染症したか?それとも……毒でも盛られたか?それか呪いとか?」 「あーいや……」 「なんだぁ?ただの風邪か?我が主も風邪をひくのか。ノラ、どうすんだ今日の仕事は」 「んーとりあえず、具合は良くないらしいから今回の仕事は私たちでやるしかないようだ。予定通り手早くやってしまおう」 「了解。やれやれ……はぁ仕方ないな」 「慣れてるだろ。主の不在の仕事は今回だけではないからな」 「慣れ過ぎて嫌になるわ。ま、いなくても仕事に支障はないからいいんだけど」 城内から広い庭園に移動しつつ、我が主の容態について同僚のコナーに話をして…… 「「はぁ~~~~」」 二人同時にため息をつく。 私の名前はノラ・カルダー。 それと隣にいる男はコナー・ケアード。 私達はこの国の第11王子、マリー・シーヴェルドに使える家臣だ。 「はぁ……やれやれ、免疫がないってのは厄介だな」 「あ?免疫?」 「あのバカの話だ」 「バカって俺より酷いぞノラ。あいつマジでどうしたんだ?まさか……そんなに具合悪いのか?」 「ある意味……悪い」 「……」 「……」 「お、おい?ノラ……そんなに!?言えよ!」 「はぁ……俺の口から言いずらいんだが……我が主は」 「……」 「……恋の病にかかられたようだ」 「……」 「……」 「は?」

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