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第13話

「うあぁ~!!口にするのも恥ずかしい……本当恥ずかしい!くっそ!!」 「こ、恋の病……だと?」 「そう……先日ついに主が嫁を見つけたらしい。見合いが嫌で逃げ出したその夜、逃げた先に偶然いたんだと。それも運命だとかルースは言っていたが……まぁそれもそうかな。長年出会うことのなかった運命の相手が現れたんだ。……つか、あいつにはそんな奴絶対いないだろうとほぼ全員が思っていたに違いないんだけど。それがマジで現れたらしい」 そう。 ルースから聞いたこの情報には驚いた。 まさかあの主が他人のことを好きになるのかと。 誰かを愛することができるのかと。 「へーーーーーーーーーで、その女に一目惚れ?は!?それで寝込んでるのか!?それで高熱?あいつ何なのアホなの!?」 「マジらしい。その後すぐに熱でぶっ倒れてそのまま床に臥せっているようだ……ぷぷぷ……しかも本人その自覚ないらしいぞ。ウケる」 「……らしいと言えばらしいけど。あいつそういう色恋は興味ないし、受け入れそうにないからな。……だまっていればモテるのに」 「コナーお前も、一時期惹かれてたしな?」 「るせー!一瞬だ一瞬!あの容姿は詐欺だろ!それにあの可愛い名前!……だけどあいつに使え始めて、すぐにそれはなくなったよ!何回死にそうになったか!」 「ま、あの容姿が全く生かされていないあの性格。上に立つ者として見栄えは必要だからその辺ではプラスになってるか。しかし嫁が存在してくれていてよかった。これで我が国も滅ばずにすむ」 「……あいつの子が後の王になるのか……それこそ不安で仕方がない……メチャクチャな国になるぞ。こわっ」 「……それでも……なくなるよりはましだ」 「まぁな。でーー?いつになったらその病から復活できるんだ我が主は?つかその嫁はどうした!どこにいるんだよ」 「……さあね。そこまでは知らん。ルースに直接聞いてくれ」

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