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第14話
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「そもそも花嫁ってなんなんだ?」
俺は今日1日学校にいる間、授業中も休み時間も昼休みの間も、昨晩の奇妙な出来事が頭から離れなかった。
いきなり現れたルースっていう不思議なイケメン……今朝も何故かうちにいたからどうやら夢ではないらしい。
俺のことを花嫁とか婚約者だとか言ってだけど、意味がさっぱりわからない。
我が主って……誰?
もしかして我が主って奴はマジで化け物だったりするのか?
怖っ!!
そんなのごめんだ!
つか第一に俺は男だし!
なる気ないし!
……
また家に来てたりするのかな、ルースって奴……
俺と主との今後について母さんと話をしたとか言ってたのスゲー気になる。
そう思うと自然と足早になった。
「ただいまー!」
「おかえりー。あーもうこんな時間かぁ。才、珈琲入れてくれるー?」
「珈琲どころじゃない!母さん、あいつは?ルースって奴はいないの?朝何の話をしたんだよ!」
「まぁまぁそんな慌てないの。落ち着きなさい。珈琲と……あと甘いやつ……あったチョコ」
「……」
「今朝、話聞いたわよ。簡単に言うと、ルースさんのご主人様って人があなたのことを気に入ったからその人の嫁になって欲しいと」
「……無理」
「ってなるわよね。でも……」
「だってさ!そもそも男だって俺!」
「だよね。私もそれ言ったんだけど。だけど、向こうにも色々事情があるらしくてルースさん困ってたわよ。とりあえずその主さん本人に会って欲しいってさ」
「はぁ?何で会わなくちゃなんだよ。そんな化け物に」
「住む世界は違うけど、ちゃんとした人間みたいよ。しかもその人王子様なんですって!凄ーい!どんな人か会ってきなさいよ!」
何でそんなに楽しそうに話してるんですかあんたって人は……俺の母親ですよね?
貴方俺に大学受験しなさいとか言ってましたよね?
自分の息子を異世界の未確認生物と結婚させるつもりですか!
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