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第15話
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「化け物ではございませんよ」
「え」
声がした方を見やるとそこにルースがいた。
形の整った顔は優しい笑みを浮かべ、我が家のリビングへと入ってくる。
勿論……二階からの登場だ。
「是非主とお会いしていただけだらと思い、お迎えに参りました。才様」
「え!俺!?」
「さようでございます」
「……あの困ります。っていうかはっきり言って嫌……です……だって一方的に来られていきなり花嫁だとか言われて……凄く迷惑だしお迎えに来たって言われても……正直もう関わりたくないんですけど」
う、
うあああ……!!
そんな顔しないで!!
しょんぼりしたワンコのように明らかにルースの顔は悲しそうだ。
「……そのお気持ちわかります。大変失礼だとは承知しておりますが、主に選ばれたという事実は確かなもので、これは取り消すことができません。そしてそれにより貴殿方家族に既に影響が出ております。我々の国に才様のお力が必要なのです。そしてここ数日、主が謎の高熱に侵されておりまして、あらゆる手を尽くしてみたのですが回復の見込みがありません」
「え」
「体力も落ち、なかなか危険な状況でして……どうしたら良いのかと……幼い頃から主に使えておりますが……あぁ……こんなに弱った我が主ははじめてで……」
ツラそうな表情のルースの顔色は悪く、元気がなかった。
主の謎の高熱ってなんだよ?
そんなに悪いのかな……
「ほんの少しでも構いません。顔を見せてあげては下さいませんか。そうすれば主も元気がでるかもしれません」
「……!」
ルースが膝を床につけ、俺の顔を見上げる。
それだけでもいたたまれない気持ちになるのに、何て悲しそうな顔をしているんだ。
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