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第19話
「あの、ルースさんって主さんの家臣とか執事みたいな感じですか?」
「はい、そうですよ。まぁほとんど世話係みたいな感じですが」
「へぇ……そうなんだ」
「はい」
「あの、何かすみません。主さんのこと化け物とか言って……考えたら俺凄く失礼なこと言ったなって思って」
「……いいえ。そう思われるのも無理はないかと。お気になさらないで下さい」
「それに……ルースさんのこともヤバい人だってちょっと思ってたりして……まさかこんな違う世界が本当にあるとか俺……想像もしてかなったから……あの……ごめんなさい」
「……才様は正直な御方ですね。謝らないで下さい。それに才様、わたくしのことはルースとお呼びください。さん付けは困ります」
「え」
「ルース、です。御願い致します」
「……ル、ルース……」
「はい!」
不思議な小道を抜けると、また別の扉が現れた。
その扉の先は真っ白な広い部屋。
……何か天井が高くて綺麗な部屋だぁ……
「才様、こちらへ……」
「はい!」
また違う豪華な扉が開くとそこはとても広く、どこまでも続いていそうな通路が現れた。
ひぇ!
せ、世界遺産クラス!!
ピカピカな床にピカピカな壁……天井には様々な絵が画かれていてあいた口が塞がらない。
スゲー……
ホコリ一つ落ちていない美しい床を歩きながら思い切りキョロキョロしてしまう。
どこもかしこも見たことがない景色で新鮮で好奇心を抑えきれない。
「人がいない」
どこを見渡しても人の気配がなかった。
こんなに広いのに、誰もいないなんて不思議だ。
「ここはプライベートな空間でして、王族やその側近など限られた者しか出入りを許されておりません」
「そうなんだ」
「我が主の部屋はこちらになります」
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