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第25話
「ルース?あの、何か勘違いしてないかな?俺とマリーとは特に何もないよ?」
「あるとかないとかそれは問題ではございません。今この時点でマリー様のいないマリー様の寝室に才様が一人でおられる。こんなことは今までにないことなのでございますよ。それとマリー様は才様が起きるまで起こさないようにと……と、言われました。こんな……こんなことを仰るなど!今までにあったでしょうか!」
「は、はぁ……」
良く分からないけれど、ここで俺が一人でいることが珍しいってことなのかな?
マリーが起きた時に俺も起こしてくれたら良かったのになぁ……
そう思いながらモグモグと食事を平らげた。
パンにしてもスープにしてもどれも美味しかった。
「ご馳走様でした。で、あのルース……」
「さて!才様こちらへどうぞ!既に準備はできておりますので」
「え?」
扉を開けると、そこには3人の女の人が待機していて、待っていましたとばかりに俺を囲み、どこかへと連れて行こうとするから焦った。
「ちょっと!?何どうしたの?あの!ルース俺さ、もううちに帰りたいんだけど!!」
「ゆっくり浸かってきてくださいね~!あったまりますよ~」
そう言いながらルースはにこにこと扉の前で手をヒラヒラと振っていた。
俺はというとお姉さん達に包囲され、有無を言わさぬまま風呂場へと連れて行かれてしまったのだ。
「帰ることなんてできませんよ~才様」
そうルースが呟いた一言は俺の耳には届かなかった。
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