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第26話

はて? さっきから俺の脳内にはクエスチョンマークが連発しているんだけど、俺ってなんで風呂に入ってるんだ? 只今、広い湯船の片隅で肩まで湯に浸かっている俺です。 湯船には色々な葉っぱや花びらが入れてあって爽やかな香りがする。 一緒に入りお背中流しましょうとかお世話致しますとかお姉さんに言われたけど、マジで結構ですっ!って言って断った。 それがわたくし達の仕事でございます困りますと言われたので、じゃぁ出たら肩もみと髪を乾かしてもらってもいいですか?とお願いしたらとっても喜んでいた。 ……無駄に広い。 泳げるぞここの風呂……100人入ってもだいじょうーぶ!くらいの広さだ。 でもまぁちょっとした温泉旅行気分を味わえたと思ってこれはこれで堪能しようと思った。 いい匂いだなぁ…… 「失礼致します。そろそろお時間ですので、御上がりいただきますよう」 「あ、はーい」 声をかけられ湯から上がるんだけど、はっきり言って超恥ずかしい。 タオルとか何もなくて全裸なんですけど! このままお姉さんたちがいる脱衣場に行くのは勇気がいりませんか!? どうしようかと躊躇っている俺の気持ちを知ってか知らずかソワソワしている俺を見つけ、手際よく柔らかな布で全身をふかれた。 椅子に座らされ肌に何かクリームのようなものを塗られ、脚や腕をマッサージしていく。 「わ、わわ!あのなんかすみません俺……」 「綺麗なお肌でございますね。キメが細かくて羨ましいですわ」 「え!キメ?良く分からないけど、色々してくださってありがとうございます」 さすがに前は布で隠してくれたけど、あとは何も身に着けずに髪を乾かしてくれたりマッサージをしてくれるので恐縮してしまった。 「御召し物はこちらをご用意しておりますので」 そう言って手分けして着せてくれるのだけど、どうも俺が普段着ているような服ではない不思議な着心地だった。 …… って、いうか? あの? これってちょっと……スッケスケじゃね? え、待って何このシースルー感!! 「あのっ!」 「良くお似合いでございますよ。髪飾りはこちらがいいかしら」 「髪が黒いからこちらの花でもよくない?」 「ベールをおかけしても綺麗じゃないかしら?」 薄めのふわふわヒラヒラした品の良い長いスカートに、上は胸だけ隠してはあるもののおへそは出てるし色んなところにシャラシャラと金の飾りをつけられた。 おまけに頭にベールを付けられ、さらにどの髪飾りをつけようかとワイワイキャッキャとお姉さん達は盛り上がっている。 ちょっと待って!!

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