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第30話

「……」 「……」 「……み、見たか?コナー」 「……」 「コナーー!」 「え!?あ!み、見た!見た見たぞ」 「あの主が少女を抱えた。しかも……ご自身のローブをその子にかけていたな」 「……あぁ、かけてた。ノラ……あいつああいうことやるのか?俺は初めて見たぞ……今の幻かな」 「私も初めて見て頭が混乱している。明らかに今の行動は主がしない行動だ。てっきり主自らが切り捨てるものかと思ったんだが、予想外過ぎてうっかり明日の打ち合わせを伝えるのを忘れてしまった。もしや、今の子が主が見つけたという御方か……」 「あの子、あの少女……主のことを呼び捨てにしてたぞ。呼び捨てだぞ?かなり気軽に呼んでいたぞ?さすがの俺もあいつを呼び捨てはしないぞ!」 「……あいつとかキサマ呼ばわりするお前が言っても説得力がないが……主が選んだという御方ならば納得がいく」 「今のはお持ち帰りに見えたんだけど?主があの子をお持ち帰りしたように見えたんだけど?マジで本当に?」 「……明日の打ち合わせをしたかったが、今主を追いかけたら私達に明日はないな。今日は帰るぞコナー」 「おう。とっとと帰ろうノラ。なんか帰ってスゲー酒が飲みたいわ」

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