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第38話
マリーが出掛けていない間は暇なのかと思っていたらそうでもなく……
……
……
「……想像していたよりも普通な子ですわね」
「そうだな。可愛いな」
「男子を選択したところがあの子らしいですわ。ま、なにより健康そうな子で良かった」
「肌の色も髪の艶も良いな。異世界の男子というのは皆こんな感じなのか?……可愛いな。」
「あなた、手を出したらあの子に殺されますわよ。おやめなさいな」
「あははわかっているよ。まだ命は惜しいからね。早く孫の顔が見たいものだな!君……才と言ったかね?子どもの作り方は知っているのかな?もし、自信がなければ私がレクチャーしてあげるよ……手取り足取り……」
「あなた!」
「……あは、あはは」
この国の王と王妃との初対面はこんな感じだった。
たらし……イヤ優しそうな国王と気品に満ち溢れた王妃との会食。
全てがきらびやかで優雅でド緊張してしまい何を食べたかも覚えていない。
とりあえず、俺のことを歓迎していてくれているのはわかった。
な、何でだろう……俺が男だってわかっているはずだよな?
マリーも子どもは何人とかそんな話をしていたし……
でも俺男だから子どもは作れないはず……
「あ、あの……質問してもいいですか?」
「何かしら?」
「お、俺が男だっていうのはご存知だと思うんですが。あの……世継ぎを産むことは男の俺じゃあ無理なんじゃないかと思うんですけど……」
「……」
「……」
「……」
「……あら、ほほほ、そんな心配ですの?愚問ですわ」
「可愛い質問するね!ははは!そんなに緊張しなくていいぞ!」
「え、愚問って……だってとても大切なことなんじゃないですか!?」
「おほほ、答えは簡単です。作れますのよ?男であるあなたでも。だからくだらない心配なさらないで?」
「……え……」
「きっと可愛い子が生まれるだろうな!楽しみだ!」
ちょ、ちょっと待って?
どうやって生まれるの?俺妊娠するの?
俺……女の子になっちゃうの!?
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