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第43話

「……そういえばマリーってどんな奴なんだろう。王子で長髪で美人……強そうで偉そう……」 マリーの自室の立派なソファーに寝転がりながら一人呟く。 本当のところ、マリーと出会ってまだ間もなくて一緒にいることも殆どないし実際はどういう奴なのかわからない。 「はぁ……暗殺者って言わたら、誰でもびっくりするだろ」 「へぇそうなの?」 「そうだよ~」 …… …… え? 「だ、誰!?」 ガバッと起きて声がする方を見ると、そこには知らない男性が椅子にもたれてこちらを見ていた。 つい返事を返してしまったけど誰だろう……銀色のサラサラとした髪は肩まであり、少し冷たい目元が印象的だ…… 「こんにちは」 「こ、こんにちは」 「君がマリー王子の花嫁くんかぁ。見つかって良かったのか悪かったのかどうもどうも。へー君凄いちっちゃいね。可哀想なくらい小さいな。はじめまして、僕は魔術師のヴァーノンって言うんだ。はいよろしく~」 「……は、はい。才って言います。よろしく……」 「才……ね、変な名前。で、なんなの?君はマリー王子が人殺しだと言うのを知って、えーやだ~怖い信じらんな~い!マジショック!とか言ってメソメソ泣いていたのかい?」 「え、えっと……いえ、泣いてないですけど」 なんだろうこの人は……いつの間にこの部屋に?それに…… 「ふーーーん。マリー王子がどんな子を選んだのかと思ったら……あーまぁ良いんだよ。期待してなかったし。いただけ万々歳だからさ。気にしないでね」 「……は、はぁ」 なんだこの人。 言い方にトゲがある感じがして少しイラつく。 紺色の長いローブに身を包んで歩く姿はとても絵になるくらい優雅で綺麗だ。 魔術師って言ってたけど、魔法とか使えちゃったりするのかな。 「マリー王子は沢山の命を殺めているよ」 「え」 「山ができるくらいね。この国は暗殺国家だから。特にマリー王子はずば抜けて殺戮が好きで好きでたまらない御方なんだよ……君は知らないよね。ついこの間まで他人だったんだからさ。しかもこんな安全な場所でほわほわほわほわ過ごしているんだから知らないも当然だよねぇ」

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