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第44話

気がつくとヴァーノンは俺の目の前に立っていて、身に纏っていたローブを脱ぎ、ソファーに引っかけるとそのまま俺の隣に腰掛けた。 どうしてこの国の人達はこんなに美形なんだろう。 そう思ってしまうくらい、ヴァーノンも優雅でカッコいい。 でも微笑んでいるのに、その瞳は酷く冷たい気がした。 「マリー王子が君の何に惹かれたのかさっぱりわからないな。まぁそれは君も同じかぁ……どうなの?暗殺のプロだって聞いてショック受けた?受けたよね。王子のこと嫌いになったかな?おうちに帰りたい?帰りたいなら帰らせてあげてもいいんだよ?」 え、帰らせてくれるの? だって扉は閉まっているはずだし、あれからルースの言葉が信じられなくて、扉のある部屋まで行き確認したくらいだ。 でも扉を開けてもそこに空間は無くて、ただ古ぼけた壁があるだけだった。 「でも帰る白の扉は閉まってました。だから帰りたくても帰れないし、っていうか何でそんなこと言うんですか」 「簡単だよ。僕は君に同情してるんだ。だってこの間までさ、違う世界にいて普通に普通の生活をしていたんだろう。聞いたらまだ若い学生のガキだって言うじゃないか。無理やりこんな世界に連れてこられて何もわからないのに知らない人と結婚させられるなんて酷いなぁって。そう思わない?可哀想だよ」 「……」 「おまけにその相手が殺し屋だって悲惨じゃん!王子様だって聞いてたのにまさかまさかな展開?」 「確かに家には帰りたいなって思うし、マリーが殺し屋って聞いてびっくりしてるけど……っわ!」 グイっと身体を引っ張られたと思ったら勢いでヴァーノンの胸の中に……抱きしめられて寝転がるヴァーノンの上に乗り上げてしまった。 「はは、かっるーいね君って子は!腰細いしちゃんと食べてるの?」 「え、あ!ちょっと何するんですか!はな離してくださいっ」 驚いたと同時に、パチパチっとシャツのボタンが触れてもいないのに勝手に外されてしまってパニクってしまう。 え!ちょっとなんだよこれ! 「あっはは驚いた?不思議だよね~ってふーん、身体は綺麗なんだもっと傷とか痣とかあると思ったんだけど……かっわいいー!離さないよ!僕さぁちょっと暇なんだ。ちょっと相手してよ」 「は?え?何の!あ、あはははは!ちょっと……そこ……やめてくすぐったい!」 「ふふふ何って決まってるじゃん!そんなにくすぐったいの?……敏感さんなんだね?」 「いやっ!ははは!ちょっと……お願いっ!」 「駄目だよ。あーあー暴れるとどんどんはだけて着ちゃうよ。とってもやらしい子に見える」 「あはは!だって……!」 「……何してんだ」

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