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第55話

周囲からの視線に暫く耐え、それから俺はマリーに連れられ城へと戻ったのだ。 何で戻ったかって? もうぶっ飛びですよ。 車とか電車じゃありません。 あれはドラゴンってやつだと思う。 真っ黒いドラゴンは夜の闇に紛れることができるので使いやすいらしい。 凄い!ドラゴンって本当にいた!想像していたより皮膚って柔らかいことを知った。 黒いドラゴンの背にマリーと一緒に乗りこむ。 すぐ後ろにマリーがいてくれるんだけど、はっきり言って超びびってしまった。 「わぁ……ひぁぁ……」 「その声なんだよ。しっかり掴まってろよ」 「ふあぁぁぁ!!!!」 ア、アトラクション以上に変な声が出てしまった! だって! ふぁっ飛んだ! ふぁっって!マジでマジで空を空を飛んでいるんだから! 高度が上がっていくたびに寿命が縮んでいく気がした。 それでも軌道が安定して来ると、不思議と揺れないもので、周囲を見渡す余裕が出てくる。 乗り心地……悪くないです。 「……わぁ……凄い高い……凄い綺麗。こっちの世界の外って初めて見たよ」 「……」 「あ、マリー。ルースのこと怒らないでね。この紐のお陰で、こっちに来ることできたんだから。ルースは悪くないから」 「……その紐は俺がルースにやったものだ。緊急時に備えて俺がいる場所へ瞬時に移動することができる」 「そうなんだ……知らなかった」 「……」 「俺ちゃんとマリーに謝らないとってずっと思ってて……マリーに会いたくてこれ使っちゃったんだ」 「……」 「あの時は……ごめん……俺、マリーがどう思うとか考えもしないで、本当バカなことした。嫌な気持ちにさせて凄い後悔してる。でも俺、さ……誘ってなんか……いないから」 「……はぁ……それはわかってる。わかっていたのに怒りを抑えられなかった。……わざわざそれだけ謝る為に来たのか?」 「んーん、それだけじゃないよ。マリーに会いに来た理由……マリーのことをもっと知らないとって思って来たんだ。俺さ、考えてみたらマリーがどんな奴か知らないなって。だって一緒にいる時間ってほとんどなかっただろ?もっといっぱいマリーのこと知りたいって思ったんだ。だけどよく考えたらもう無駄な考えだよな……あはは……ごめん。気にしないで……」 「……」

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