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第58話
え、
え、
え!!!
「ほら、早く脱げ」
「え!ちょ……」
ちょっと!!待って!!!!
目の前で衣服を脱ぐマリーに見とれながら、大いに焦っている俺!
何て綺麗な筋肉なんだ!
背中から尻までの引き締まったラインがびっくりするくらい美しい。
なんという曲線美!
「え、何。一緒にお風呂入るの?」
「当たり前だろ。脱がないなら俺が脱がせてやろうか?」
「え!嫌!だ、大丈夫!自分でやるから」
「服の臭いはとれないから処分しないとだからな。やれやれ臭くてたまらない」
「凄い臭いだよねこれ。ちゃんととれるかなこの匂い……」
「何度か洗わないと取れない。大丈夫ちゃんと洗ってやるから」
実は髪の毛までべったりと涎がついていて、吐き気が酷かった。
確かに服はもう着れないだろう。
恥ずかしいと言ってる場合じゃないとベタつく服を広い脱衣室でなんとか脱ぎ、風呂場へと向かった。
湯船に浸かる前にこの汚れを落とさなければならない。
マリーに何度か湯を頭からかけてもらい、専用の液体で洗われる。
3回目からやっと悪臭が薄らいできて、ハーブのような香りに変わってきた。
「はぁ……ちょっといい匂いになってきたかなぁ」
「しつこい臭いだからまだ落ちてはいない。今度は別のやつで洗わないと。でもましにはなってきたかな」
「うん、終わったらマリーの髪洗うの手伝ってもいい?マリーって髪はいつも自分で洗ってるの?」
「まあね。乾かすのは仕方ないけど洗うのは自分でやる。誰かに触られるのは好きじゃないから」
「あ、そうなんだ。ごめん」
何度も髪に触れてきたから、触られるのが嫌だとか全然考えてもしなかった。
手を引っ込めようとしたけれど、その手をマリーに掴まれてしまう。
「才に触られるのは大丈夫……洗ってくれる?」
「う、うん!……いいの?」
「勿論」
大丈夫と言われて嬉しかった。
長い髪を洗うのは大変だけど、臭いが薄れて来るとやっぱり嬉しい。
元々俺みたいにべったり涎がついているわけではないので臭いはすぐにとれた。
綺麗になり濡れたマリーの髪は滑らかで光輝いてとても美しい。
「あはは、臭いとれたね。良かった!」
「……才……」
「ん?」
「ちょっと……我慢……できない」
「」
……
マリーの顔が近づいたと思ったら、唇を塞がれていた。
とても自然で、違和感もなくて、普通に受け入れてしまう自分に驚いてしまった。
触れるだけのキスをし離れ、唇をペロリと舐められ、また重なる。
角度を変え、何度も重ねるマリーの唇はあったかくて柔らかい。
「……才、口……少しあけて」
そう囁かれたので、
言われた通りに口を開いた。
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