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第64話
*モブ女中の会話をお楽しみ下さい。
「ねぇ……見た?」
「……見たわ……」
「……あ……あぁ……」
「信じられない……」
「……私、マリー王子の御声、はじめて聞いた」
「わ、私もです……!」
「信じられない……!」
「見ました?き、キス!才様にしてましたわ!キスよ!」
「私も見てはいけないと思いつつも見てしまったわ!才様の御顔……耳まで真っ赤になってました!マリー王子にからかわれる才様の可愛らし御姿」
「いやん!才様可愛いっ!」
「か、可愛いわよね!可愛いって言っていいですわよね!私以前から思っていたんですが、才様超!可愛いくないですかっ!サラサラな黒髪に大きな黒目!ピュアピュアな眼差し!」
「勿論思ってましたわ!才様ったら髪をとかす際いつも私に"ありがとうございます"ってお声をかけて下さるですよ!きゃ!あの方がマリー王子のお相手なんて私応援しちゃう!」
「そうなの!私にもよ!恥ずかしそうに仰る姿がもう胸キュンで!そしてマリー王子のあの態度!表情!身体が震えるほど激レアです!どこぞの生意気な娘より安心してこの国を任せられますわ」
「そりゃこれは私達にとって仕事ですから?お礼を言われても困るんですけどね。初めは侮辱されているかと思ったけど……マ ジ 今、才様推しだわ……そして才様を見るマリー王子のあの優しげな御言葉使いや表情……ちょっとまだ信じられない」
「こんなこと……こんなこと……絶対他言できませんが、あのマリー王子が、マリー王子がデレてましたわ!あぁ……才様と共にお風呂に入られて……やっぱり御二人……」
「……」
「……」
「……み、皆さん?は、はしたないですわよ!ちょっと!」
「……早速、ちょ、ちょめちょめの、ちょめ……くらい……あったかしら」
「イエス!ちょめちょめ!!!あったろっ!だって世継を沢山作っていただかないと!」
「無いわけないですーーっ!!きゃ!もうどこでも子作りして下さい!ラブ!」
「しかも男同士って!!尊いっ!!」
「この仕事やってて良かったーー!!!」
「いつ櫛に髪が引っ掛かるんじゃないか、処罰されるんじゃないかとそれビクビクする毎日だったけれど、こんなこんな急な萌えが見られるなんて……神様!」
「ミスしたら即刻クビですものね。ある意味ミスりそうになりましたけど!」
「本当……ミスして処罰された使用人を何人も見てきたわ」
「……本当毎日生きるか死ぬかって感じよ。まさかこんな潤いが見られるなんて」
「幸せですわね。私負けませんわよ」
「私も!」
「この仕事に誇りを持ってますもの!誰にも譲らなくてよ!ねぇ皆さん!」
「ええ!」
「勿論ですわ!!才様ラブ!」
「子作り世継!エイエイオー!!」
(い、いつもな感じですね。失礼しました。
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