68 / 88

第68話

「……」 「ヴァーノンさん……えーとヴァノとはね、友達になれたらなぁって思って。何となく彼とはいい友達になれそうだって思ったんだ」 「……友達……あいつと?」 「うんそうそう!マリーとは違うからね!」 「……違うって?」 「え?」 「……」 ん? 違うって……なんだ? 今自分で言っておいて、突っ込みをしてしまった。 …… 違うって…… パチパチと瞬きをする。 目の前にはいまいち納得できていないマリーの不機嫌そうな顔。 …… マリーは、マリーは違う。 俺の友達ではない。 知り合いでもない。 もう……他人じゃないし…… …… そうか…… 既に友達という括りにはおさまらないんだと気がついた。 というか……スタートが友達じゃないか。 もう、マリーは俺にとってなくてはならない存在…… だって、離れていた時あんなに考えていたんだから。 1日中、何日も……ずっと……ずっと…… 好き……それを認めたくないっていう自分の気持ちは、マリーと再開したらどこかへぶっ飛んでいってしまった。 ……あはは。 こうやって抱きしめられるのも嫌じゃない。 むしろ心地好いドキドキがたまらない。 参った、困った。 「マリー。俺がね、マリーのことを好きって言ったら信じてくれる?」 「……は?」 「だから好きって……わかる?」 「……」 「今マリーがやきもち妬いてくれてさ、俺嬉しかったんだ。そう思ったら、あぁそうか……俺マリーのこと好きなんだって思って」 「……ほ、本当……に?」 「本当に……嘘つかないよ」 !!!! 「う!あっ!」 ガバッと抱き上げ小脇に抱えられて、寝室へと向かった。 お久しぶりの、マリーの寝室だ。 ばふん!とベッドへと押し倒された。

ともだちにシェアしよう!