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第68話
「……」
「ヴァーノンさん……えーとヴァノとはね、友達になれたらなぁって思って。何となく彼とはいい友達になれそうだって思ったんだ」
「……友達……あいつと?」
「うんそうそう!マリーとは違うからね!」
「……違うって?」
「え?」
「……」
ん?
違うって……なんだ?
今自分で言っておいて、突っ込みをしてしまった。
……
違うって……
パチパチと瞬きをする。
目の前にはいまいち納得できていないマリーの不機嫌そうな顔。
……
マリーは、マリーは違う。
俺の友達ではない。
知り合いでもない。
もう……他人じゃないし……
……
そうか……
既に友達という括りにはおさまらないんだと気がついた。
というか……スタートが友達じゃないか。
もう、マリーは俺にとってなくてはならない存在……
だって、離れていた時あんなに考えていたんだから。
1日中、何日も……ずっと……ずっと……
好き……それを認めたくないっていう自分の気持ちは、マリーと再開したらどこかへぶっ飛んでいってしまった。
……あはは。
こうやって抱きしめられるのも嫌じゃない。
むしろ心地好いドキドキがたまらない。
参った、困った。
「マリー。俺がね、マリーのことを好きって言ったら信じてくれる?」
「……は?」
「だから好きって……わかる?」
「……」
「今マリーがやきもち妬いてくれてさ、俺嬉しかったんだ。そう思ったら、あぁそうか……俺マリーのこと好きなんだって思って」
「……ほ、本当……に?」
「本当に……嘘つかないよ」
!!!!
「う!あっ!」
ガバッと抱き上げ小脇に抱えられて、寝室へと向かった。
お久しぶりの、マリーの寝室だ。
ばふん!とベッドへと押し倒された。
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