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第75話
俺とマリーが結ばれてから、周囲の反応が恐ろしく早くてびびってしまった。
国をあげての一大イベントととして大規模な結婚式だのなんだのと慌ただしい。
そしてルースが大喜びしてめちゃくちゃ泣いていた。
そ、そんなに?
結婚とか全然わからないし、実感ないけどマリーのことが好きだっていうのはわかる。
好きと言う気持ちを受け入れてしまったらどんどんマリーのことが好きになっていく。
「ねぇマリー、本当に俺と結婚するの?」
「何を今さら」
「何て言うか俺普通だし良いのかなぁ~って」
「良いに決まってるだろ。何、嫌なの?」
「え!い、嫌じゃないよ」
木漏れ日を浴びながら、城の庭園でのんびり二人で昼食をとっている。
芝の上に大きなラグを敷き、その上に二人で寝転がっているのだ。
これは俺の提案で、ピクニック形式でご飯が食べたいと言って、お弁当っぽい簡単な食事を作ってもらった。
簡単って言っても全然豪華なんだけど、まぁ……マリーはこの国の王子様だし仕方がないか。
マリーは食べ物は何が好きか嫌いかとか、俺が食べたことない食材の話をしたりとか話ながらのランチは楽しい。
マリーが意外と甘いものが好きなのがちょっと可愛いって思った。
光を浴びたマリーはとてもキラキラしていて本当に綺麗だって思う。
それに……
「マリーの髪ってやっぱり綺麗だね。この色とってもいい……」
マリーの艶やかな長い髪に触れながらそう呟いた。
「……他人に同じこと言われても信じられないけど、才に言われると不思議と綺麗なのかって思えてくるな。自分じゃ興味がないからよく分からない」
「そうなの?マリーの髪を見てるとね、桜を思い出すんだ。桜って春になると咲く花なんだけどね。淡いピンク色していて凄く綺麗なんだよ」
「ふーん」
「向こうが春になったら見せてあげる!一緒に見に行こうよ」
「……才と一緒なら喜んで」
マリーの手が俺の手に触れ握りしめ、指先を絡め合い互いの温もりを確かめる。
少し恥ずかしいけど、この温もりはそれ以上でずっとずっとこうしていたいって思う。
長い指が丁寧に指の間や手の平を撫でるからすぐったい。
くすぐったいくらいならいいけど、徐々に触り方が意味ありげなものへと変わっていく。
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