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まー、うん、あほな俺でもわかってんのよ、ちゃーんと。 年がら年中発情お盛んな下半身に従って女子ともダチとも教師ともオッサンともお気楽にシちゃってきた俺でも、さぁ。 これが初恋だって。 うわ、さぶ、ださ、しぬ。 でもさぁ。 ガチで初めてなんだな。 下半身よりも先に感情が反応すんのは。 ヤりてぇ、より、一緒いてぇ、って思うのは。 うわさぶださしぬ。 「天音ーパン買ってきたぞー」 「一体何個あるんだ、袋がぱんぱんだ」 「え、なにそれ、シャレ? シャレのつもり? 天音さーん?」 「……シャレじゃない、失言だ」 「お前すげー食うからパンぱんぱんに買ってきた」 「俺の分も買ってきてくれたのか? ありがとう」 「(きゅぅんっ)かっ、金出せ、金寄越しやがれ」 薄っぺらなスクールバッグよりも遥かに重たい、ぱんっぱんのレジ袋を机にどさりと置いた冬森は、隣席ですでに文庫本を広げていた天音を見下ろした。 「冬森、いくらだ?」 なんか空気が新鮮だー。 窓、開いてるからかも、ですけど。 「冬森? 千円からでいいか?」 べっつに大したことねー地味クンのくせ、地味眼鏡のくせ、ほんとなんでこんな地味やろーなんかに。 「お釣り、ないか?」 席替えするまでぜっんぜん眼中なかったのに。 「冬森、聞いてるか?」 「聞ぃてるわ、タダでいー、もらってっし、いつも」 お前のせいで、違う、お前のおかげで下半身中毒から抜け出せそ、俺。 もう不健全性生活から卒業するわ。

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